“新米臨床家のインポスター症候群“のWS参加報告

去る12月2日に、僕が所属するACBSオンタリオ支部主催の“新米臨床家のインポスター症候群“のオンラインワークショップに参加してきました。

日本時間の午前2時開始と厳しい時間帯でしたが、とても楽しく学べたワークショップだったので、皆さまに報告したいと思います。

司会進行はケイラ・ハメル博士とエリセア・デ・ソマ博士のお二人でした。

今回学んだこと

  • インポスター症候群の特徴
  • ACTとCFTの組み合わせはインポスター症候群に役に立つ
  • 参加者と共に自己開示しつつ体験的に学べた
  • 皆でエクサササイズに取り組んだことで帰属感が生まれた

ワークショップ開始前に主催者の一人であるケイラからZoomミーティングで様々な事情があるだろうけどカメラをONにしたまま参加して欲しいとのお願いが。

他の参加者との繋がりを大事にしたいからとのことでした。

とはいえ、強制ではなく決めるのはあなた次第だと。

僕もこの部分は大事にしたいところなんですよね。

オンラインイベントは特に顔が出ている方が相手のしぐさもわかりやすいですし、友人になれる機会も得やすいからなんです。

インポスター症候群とは

  • 皆さんが成功や達成にふさわしくないという圧倒的な気持ち
  • 自身の成功が運や良い機会に恵まれただけで詐欺だと考えること
  • ある日、自分は詐欺師だとばれ、皆が自分の正体を知ることに気をもむこと

はじめに、Zoom上での投票で参加者の傾向を見つつ、上記のインポスター症候群の特徴と初学者症候群の違いについて教えてくれました。

初学者が自分よりも他の人たちの方がいろんな事を知っていると思うのはよくあることだそうです。

その後、ACTマトリックスを使いながら、インポスター症候群や初学者であっても臨床家として大事なことは何かを皆で洗い出していきました。僕の回答は「重篤な精神疾患に苦しむ人々やその家族を支えること」でした。

次に、そうしようとしたらどんな気持ちや考えが浮かぶか答えていきます。僕の場合、「大した能力もない」でした。

続いて、どうやってそれらの気持ちや考えに対処しているのかを尋ねられます。ここでの回答は「知ったかぶりをする」でした。

最後に、最初の質問に合う振る舞いはどんなものがあるかを答えていきます。「学んで実践しつ続けること」が僕自身の振る舞いだと回答しました。

完成したマトリックスを確認すると、「自分もそうやな」と思える答えもありますし、違った答えがあれば「そんな方法もあるんや」と思えて自分の視野が広がる気がしました。

ACTマトリックスの後、皆で目を閉じたまま脱フュージョンエクササイズをやりました。色々な脱フュージョンのやり方が含まれているものでしたが、

僕の場合、「自分はおバカだ」という考えが浮かんですけど、ハッピーバースデーの歌に合わせてこの考えを歌っていることを想像するとクスクス笑っていました。

脱フュージョンは考えや気持ちに飲まれているときに少し距離を置くのに役立ちます。

最後は、エリセアがCFT(コンパッション・フォーカスト・セラピー)のコンパッションエクササイズで締めくくります。

まずは自分から他の人に思いやりを示し、今度は他の人から自分が思いやりを受け取ります。

すごく新鮮だったのは、他の人の思いやりにあふれた言葉の中から自分が気に入った言葉を選び、仕上げにその言葉を自分に向けて終えます。

このエクササイズは帰属感を生みますし、自分の心が本当に慰められてなんだかウルっときてしまいました。

ワークショップが終わった直後、「体験的なワークショップはすごく楽しかったし、勉強になったよ。本当にありがとう。ところで、今僕の心が“腹減った“って呟いたことに気づいたよ」と、二人に伝えると大笑いしてました(笑)

ACTはどこかユーモラスなことにまじめに取り組む心理療法なので、僕自身そんなところが気に入っています。そして、ACTはCFTと親和性が高い心理療法でもあります。

このブログを呼んでACTに興味が沸いた方は、当心理室までお気軽にお問い合わせください。

DEEP SLOW MOVE RIVER

代表心理士:吉本 学

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